邦画の素晴らしいところは、狂気だと自分は考えています。
アメリカでは銃で撃ってパンパン、はい人殺し終了という感じですが、日本の殺人や人が死ぬということは狂気が渦巻いています。
まず感情なしに人を殺すということはありません。
アメリカやその他外国では強盗殺人で感情なしで人を殺す殺人が横行していますが、日本の治安の中ではそれは不可能です。
銃で人を殺すのは誰でもできます。至近距離でトリガーを引けばいいだけです。
そこに「排除」のメリット以外の感情はありません。
しかし、日本ではほぼ不可能です。そのため、縛りが生まれます。
それが神さまの言うとおりの場合、法を覆す圧倒的な力というわけですね。
その力を高校生がデスゲームをするのに使われるというアンバランスさが狂気をより深いものにしてくれています。
そうした狂気を見るのは、ある意味で殺人の疑似体験であり、人ができない楽しみを味わらせてくれるものです。
しかし、日本の狂気という演出で人が死ぬことによって、逆に命の尊さを感じることができます。
人の命は何よりも大切と言うよりも、人の命はちっぽけだけど大切だという大人になりたいと感じました。
殺人ゲームによる人の死。
これを楽しむという発想を見事に俳優さん全員が演じきった感じですね。
何といってもその中で凄いのは神木隆之介さんの演技でしょう。
流れるようなストーリーの展開のテンポの良さの中に、神木隆之介さんの演技が光ることによって映画を引き立ててくれます。
神さまの言うとおりを観るべき人と観るべきでない人
神さまの言うとおりを観るべき人は、エンターテイメントを楽しみたい人です。
今の時代、ゆとり教育で「人口爆発で地球さん可哀そう。人いっぱい死ぬべき」みたいな思想を教えつけられている世代は、こうしたデスゲームを純粋な気持ちで楽しむことができます。
逆に観るべき人でないのは、道徳観や感受性の強い人です。
「悪の経典」の試写会で元AKB48の大島優子が、
「この映画嫌いです」
と言ったように、デスゲームものは賛否両論があります。
神さまの言うとおりは比較的グロは避けて死ぬシーンは血しぶきくらいに留めているのですが、それでも「怖いの本当に苦手」というような人にはおすすめできません。
デスゲームとして完成度が高く、一度は観てみる価値はあるかと思います。
正直な感想
正直な感想を言いますと、神さまの言うとおりは最高でした!
私は原作の漫画を見ていて、それから映画を観たので、そこまで期待していませんでした。
どうせB級で終わるのだろうと高を括っていました。
ただ、観てみると止まらない興奮が襲ってきました。
CGのレベルの高いですし、ストーリーのテンポの良さも良い。
そして、何より俳優陣の演技の素晴らしさが際立ちます。
クレイジーな世界観を堪能することができます。
映画にはその映画を印象付ける決めるカットシーンが幾つかありますが、神さまの言うとおりはそれが幾つもあります。
5分見れば興奮を読んでくれるようなカットシーンが出てきて、飽きるということがありません。
アクションが凄いわけでもない。
物語が深いわけでもない。
それどころか伏線放りっぱなし。
だけど、「面白い」という点だけが確かに伝わってくる。
そんな、エンターテイメントを極めている邦画ですね。
評価で言うと100点満点!
昔は洋画の方が興行収入は多かったのですが、最近は邦画の方が大きいです。
その邦画のパワーの前身となった邦画だと感じました。
演技、ストーリー、エンターテイメント性、CGの素晴らしさ、映像表現、どれをとっても素晴らしいとしか言うしかない作品です。
文句なしの100点邦画ですね!
是非、ご覧になってください。