蛇にピアスは簡単に言うと「セックス&インモラル」を文学的に映像化された邦画となります。
もっともっと簡単に言うと、「うひょー、アウトローサイコー」という感じでしょうか?
男性視点からそれを言うとただのクズで、滅茶苦茶作品はあるのですが、女性視点から言うとなかなかないので貴重な作品となります。
男性の「セックス&インモラル」は、誰でも想像で片づけられるもので、映像化しても、「ああ、クソの映画だな」とそれで一蹴されてしまいます。
しかし、女性目線なら別です。何故かというと男性に振り回されてしまうものであり、そうしたものを表に出したくないからです。
セックス、入れ墨、ピアス。
そうしたものを女性目線で描いています。
それも女優として価値観も高い吉高由里子が主演女優として初の主演を勤めたのも大きいですね。
それによって素晴らしい映像表現を作っています。
蛇にピアスの原作と脚本
日本の小説家の金原ひとみの小説が原作です。
デビュー作であり、第27回すばる文学賞を受賞し、未成年ながら第130回芥川龍之介賞を受賞したという話題作です。
文学の世界を知っている人ならわかると思いますが、芥川龍之介賞というのは長年作家を続けている大御所がやっとのことでそうした賞に未成年が選ばれるという事態、異例です。
そうした金原ひとみさんが本人きっての希望で、蜷川幸雄監督による映画となりました。
脚本は宮脇卓也さんと蜷川幸雄さんです。
異例という意味では群を抜いてトップのキャストですね。
キャスト
アマ:高良健吾
シバ:ARATA
マキ:あびる優
ユリ:ソニン
蛇にピアスの見どころとネタバレ
自堕落で生きる目的もない19歳のルイはクラブで出会った赤毛でピアスだらけのモヒカンで背中に龍の刺青と蛇のような二つ舌を持つアマと出会い、人生を変えます。
そのまま、人体改造に持ち込むツルが一変する。ルイは、シバという男が施術師の闇系の店を訪ね、舌にピアスを開けました。
そこから人体改造へとのめり込んでいくになります。
シバはサディストで施術を楽しんでルイに関係を求めます。
その数日後、ルイとアマは喧嘩沙汰に巻き込まれ、男から二本の歯を奪い取って「愛の証」だと言ってルイに手渡します。
実はこのシーンが重要で、尚且つどうでもいいです。
肉体改造にのめり込むルイに付け込んで肉体改造をするシバは肉体関係を求め、その裏で恋人であるアマが暴力を振るった暴力団構成員は死亡してアマは指名手配されてしまいます。
シバと肉体改造を続けるルイの元に、アマが無数のタバコを押し当てたいわゆる根性焼きの痕があり、陰部にはエクスタシーというお香が差し込まれていている無残な死体が発見されたという報告をされます。
そして、肉体改造の意味をルイは考えるのです。
まとめ
普通の人が観たら「クズが勝手に死んで悩んでメンヘラになったラッキー」というような感想を持つでしょう。
実際、原作の小説を忠実に描いている作品であり、原作の作者が未成年者であったということで、そうした軽視したイメージを持っている人もかなり大勢います。
太宰治好きが太宰治を真似るとクソ小説ができる。
ビッチがビッチ小説を書くとクソ小説ができる。
それは鉄板ですからね。
でも、実際に映像になってみると、吉高由里子という素晴らしい素材があってのことですが、エクスタシーを得ることができる映画に仕上がっています。
吉高由里子の乳首も見えたりして、かなりマニアには役得な作品となっています。
レベルの高い吉高由里子のような女優が乳首を出すことは滅多にないですからね。
総合的に素晴らしい作品です。